滞在型のスローツーリズムで見えてくる

里山の営みにとけこみ旅する

能登半島のちょうど真ん中あたり。志賀町熊野地区には、田園と山林が織りなす日本の原風景が広がります。近頃は“のとくまの”という愛称で呼ばれている地域です。かつては薬草の名産地として知られ、地域ぐるみで薬草づくりに取り組み、栄えました。今なお自然と調和しながら営まれる里山の暮らしにとけこんで、ゆったりと過ごすことができます。

トップ里山の営みにとけこみ旅する滞在記 Slow-1

Slow-1

田園の中の大きなおうち

田んぼが広がる“のとくまの”の風景。日当たりのいい場所は田んぼに譲って、
森のそばに民家が点在する。

1日1組限定の農家民宿『古民家 こずえ』。
大きな母屋と納屋からなるこの地域に典型的な農家に滞在できる。

わが家のように
過ごせる農家民宿。

飾り気のない素朴な雰囲気のお宅でのんびりできる。

志賀町熊野地区の町居という集落では、森に囲まれた平地は一面の田んぼです。日当たりのよい平らな土地はすべて優先して田んぼに。家々はスギやヒノキなどの森に張り付くように点在しています。その一軒、『古民家 こずえ』は長年、米農家を営んできた典型的なおうち。農家暮らしを体験できる宿泊施設の顔も持っています。
宿を守るのは梢正美さん。ここで生まれ育ち、短大への進学から家を離れて関西に暮らしていました。帰省するたびに集落の人口が減っていく様子を見て、「このままではいけない」とUターンしました。
「のとくまのは、私のことをいつも待っていてくれる、いつも温かく迎えてくれる場所。ここがあるからまた都会でがんばれる、と思わせてくれる故郷でした。集落の営みをなくしたくない、みんなの故郷として守っていきたい、という思いで宿を始めました」と梢さんは話します。

農家民宿『古民家 こずえ』の女将・梢正美さん。関西の都市部に暮らし、帰省するにつれ地元の魅力に気づいたという。

農家の手仕事をお手伝い。

『古民家 こずえ』のアイドル、トラちゃん。ネコものびのび暮らせる環境。

『古民家 こずえ』は1日1組限定の宿です。古民家の座敷や納屋、庭先をレンタルスペースとして借りることもできます。
広々とした居間や縁側で気兼ねなくごろんと過ごすのは、なんともぜいたくな時間。時期が合えば、山菜取りや稲刈り、さつまいも掘り、原木シイタケ狩りなどの農作業体験も楽しみです。自家製の能登コシヒカリを竹林から切り出した青竹を使った竹筒炊きで味わったり、庭の石窯で焼く手作りピザを頬張ったり、野趣あふれるグルメも待っています。
秋に獲れるキウイを使ったジャム作り、冬のユズを使ったユズ味噌作り、山から切り出したツルでのかご作りなど、その季節ならではの手作り体験がめじろ押しです。
今日の昼下がりは、梅ジュース作り。庭先で採れたばかりの梅を使って、ジュースのもととなるシロップを仕込みます。昨年漬け込んだ美味しい梅ジュースをいただきながら、竹串を使って梅のヘタをチクチクと。またいい〜香りの梅ジュースになりますように。

今年の梅も上出来、上出来。梅ジュース用にたくさん収穫。

竹串を使ってヘタをくり抜き、エキスが出るように実をチクチク刺す。

キャニスターに実と氷砂糖をまんべんなく詰めたら仕込み完了。

1年経つとこんなふうにおいしいシロップになる。