白山は凛々しい

瀬波カフェ&ゲストハウス 店主 波佐谷信道さん

白山を源として日本海に注ぎ、石川県の穀倉地帯を潤す手取川。その支流である瀬波川沿いで、わずかに広がる平地にあるのが瀬波地区。私がカフェを営む集落です。瀬波の人々は、白山が育む木と共に暮らしてきました。耕作地はほとんどなく、米や野菜は思うように作れません。この地区で生きるための糧は、目の前に豊かに繁る木だったのです。

瀬波では炭焼きが盛んに行われました。山からナラやクヌギなどの木を伐り出し、土と石で作った窯で焼いて炭を作ります。戦前までは、作った炭を米と交換したり、商業地へ売りに行って現金に換えたりしていたそうです。カフェを始めてから、瀬波がさまざまな天然の食材に恵まれていることがわかってきました。山菜、野草、木の実、渓流魚など、四季を通じて森の中からいろんな食べ物を得ることができます。そしてそれらの食材のどれもが、凛々しくそびえる白山を覆う木々と豊富な水の賜物だということも実感しています。