里山里海の恵みが凝縮された
100%能登産ブドウのワイン

商品名:能登ワイン
メーカー:能登ワイン株式会社

代表的な銘柄の「心の雫」と「NselecT ヤマソーヴィニヨン」。「心の雫」はワイン漫画「神の雫」に登場したことでも知られている。

海風と寒暖差が生む深い味わい

奥能登で栽培されたブドウ100%で造るワイナリーがあるのをご存知でしょうか。穴水町で2006年に醸造を開始した「能登ワイン」です。原料のブドウはすべて、ワイナリーから半径3km以内で栽培されたワイン専用品種。自社の3ヘクタールと契約農家4軒の計21ヘクタールの畑で大切に育てたブドウのみで醸造しています。代表的な品種として、山ブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンを交配させた日本固有のブドウ、ヤマソーヴィニヨンをはじめ、新潟生まれのマスカット・ベリーA、シャルドネ、メルロー、ナイヤガラなどが丹精込めて育てられています。
「この丘陵地はほどよい海風が吹く絶妙な気候」と話すのは、シャルドネを中心にブドウ作りに取り組む株式会社高田の代表・村山智一さん。奥能登はブドウ栽培には湿度が高すぎると考えられてきましたが、東の七尾湾から吹く海風が畑の湿気を飛ばしてくれるので、特に栽培がむずかしいとされるシャルドネも、工夫次第で安定して育つことがわかってきたと言います。
「良質なブドウに欠かせない昼夜の大きな寒暖差もあります。そして、四季がはっきりしていて年間を通じた寒暖差もブドウの味を力強くしてくれていると思います」。

「NselecT ヤマソーヴィニヨン」は濃い色調で野生味のある風味が特徴。

「能登ワイン」は工場から半径3km内で栽培されたブドウのみを使用して造られる。

20年以上ブドウ栽培に取り組んでいる「株式会社高田」の村山智一さん。「ブドウ栽培は本当にむずかしい。でも、おもしろいですよ」

七尾湾名産の牡蠣を土作りに生かす

ここ穴水町は牡蠣の名産地。焼き牡蠣の殻が大量に発生します。「能登ワイナリー」では、廃棄される牡蠣殻を引き取り、ブドウ栽培に生かしています。炭火でよく焼かれた牡蠣殻を数年かけて風化させ、粉砕。その細かな牡蠣殻を畑に撒くことによって、土の酸性度を調整すると同時に、豊かなミネラル成分を加えます。まさに奥能登のテロワール(土壌・地勢・気候などブドウ生育の要素)を体現したワイン。里山里海の恵みが凝縮された一杯を楽しむことができます。
人気は、野生的な深い風味で飲み応えのある「NselecT ヤマソーヴィニヨン」。厳選されたヤマソーヴィニヨンをオーク樽で6カ月間熟成させ、バニラやチョコレートを思わせる優雅な香りを楽しめる「心の雫」も、多くのワイン愛好家を魅了しています。

最上位ブランドで数々の賞も獲得している「クオネス」は、毎年完売の人気。

「能登ワイン」の営業課長・丸山敦史さん。「能登名産のころ柿も絶好のおつまみ。つい飲みすぎてしまいますね」と笑う。

和食との相性抜群

「能登ワイン」の販売を担当し、ソムリエでもある丸山敦史さんは、能登ワインの特徴について「和食に合う奥能登ならではのワイン」と指摘します。
「お醤油との相性が抜群で、和食によく合うワインだと思います。特に魚料理との相性は欧米の銘醸地のワインに引けをとりません。シャルドネの白やロゼはもちろん、ヤマソヴーヴィニヨンの赤も案外いいマリアージュを見せますよ。白身魚の煮付けはそのままでも合いますが、隠し味に唐辛子を入れてあげると、料理とワインのほのかなスパイシーさが響き合って本当に美味しいです。ぜひ試してみてください」。

青々としていた畑は、冬には一面の銀世界に。年間を通じた大きな寒暖差も、ブドウの風味を力強くしてくれる。